伊勢太神楽(読み)いせだいかぐら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊勢太神楽」の意味・わかりやすい解説

伊勢太神楽
いせだいかぐら

三重県桑名(くわな)市太夫(たゆう)町に伝承する職業的な二人立獅子舞(ふたりだちししまい)。1組10名前後で構成され、山本源太夫の組をはじめとする、阿倉川(あくらがわ)系を含めた6組ほどで「伊勢大神楽講社」を結成し、各組(社)はほぼ一年中、北陸、近畿、中国地方を巡行している。また、太夫町増田神社の祭り(12月23、24日)にも演じられる。獅子頭(ししがしら)は神として崇(あが)められているが、信仰的な意味づけは一様でなく、伊勢参宮にかわるとする土地もあるが、竈祓(かまどばら)いと屋敷清めを主眼としている。鈴の舞、四方(しほう)の舞などの神事舞や吉野舞、神来舞(しぐるま)などの神楽舞のほか、余興として、水の曲、献燈の曲、魁曲(らんぎょく)などの数々の放下(ほうか)(曲芸)を演じる。壬申(じんしん)の乱(672)に由来するという伝書もあるが、中世末ごろ始められ、途中伊勢神宮の御師(おし)と結んで発展したと思われる。

[西角井正大]


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デジタル大辞泉プラス 「伊勢太神楽」の解説

伊勢太神楽(だいかぐら)

三重県桑名市に伝わる民俗芸能。太夫町の増田神社の例大祭で奉納される獅子神楽その他時期には近畿・北陸地方を巡行している。1981年、国の重要無形民俗文化財指定

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