国指定史跡ガイド 「福山城跡〈岡山県〉」の解説
ふくやまじょうあと【福山城跡〈岡山県〉】
岡山県総社市西郡にある城跡。標高約302mの福山山頂にあり、平安時代からあった山岳仏教の寺院福山寺(ふくやまじ)を、1335年(建武2)に改変して砦とした山城で、『太平記』に記された福山合戦の舞台となったことで知られる。1336年(建武3)、後醍醐(ごだいご)天皇の新政に反旗を翻した足利尊氏(たかうじ)が九州から東上したとき、新田義貞軍の武将・大井田氏経(おおいだうじつね)が尊氏の弟、直義(ただよし)の軍勢をこの城で迎え討った。3日3晩の戦いは直義軍が勝利し、この敗戦が建武の中興政府が崩壊する端緒となった。遺構として、門跡、土塁、井戸跡がある。また、寺院のものとみられる古瓦や窯跡も発見されている。1936年(昭和11)に国の史跡に指定された。JR伯備線ほか総社駅から総社バス「西郡」下車、徒歩約1時間。