秘蔵宝鑰(読み)ヒゾウホウヤク

デジタル大辞泉 「秘蔵宝鑰」の意味・読み・例文・類語

ひぞうほうやく〔ヒザウホウヤク〕【秘蔵宝鑰】

平安前期の仏教書。3巻。空海著。天長7年(830)ごろ成立。「十住心論」10巻を要略した書。宝鑰

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精選版 日本国語大辞典 「秘蔵宝鑰」の意味・読み・例文・類語

ひぞうほうやくヒザウホウヤク【秘蔵宝鑰】

  1. 平安前期の仏教書。三巻。空海著。天長七年(八三〇)ころ成立。六本宗書の一つである「十住心論」を簡略化したもので、諸思想の優劣深浅を定め、真言宗立場を明らかにする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秘蔵宝鑰」の意味・わかりやすい解説

秘蔵宝鑰
ひぞうほうやく

空海の著書。3巻。天長7 (830) 年頃成立。『秘密曼荼羅十住心論』をみずから要約したもので,『十住心論』を広論というのに対して,略論といわれる。十住心教判を立て,真言宗が一切諸教のうえに立って,すべてを包括するものであることが説かれている。

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世界大百科事典(旧版)内の秘蔵宝鑰の言及

【空海】より

…このころ,漢字辞書として日本最初の《篆隷万象名義(てんれいばんしようめいぎ)》30巻を撰述した。830年天長六宗書の一つである《十住心論》10巻,《秘蔵宝鑰(ほうやく)》3巻を著し,真言密教の思想体系を完成した。《弁顕密二教論》では顕教と密教を比較して,顕教では救われない人も密教では救われること,即身成仏の思想を表明しており,これを横の教判といい,《十住心論》の縦の教判に対する。…

【十住心論】より

…第十住心では〈実の如く自心を知る〉ことが説かれ,この心を悟っていく階梯を10の段階に分けて追求したために〈十住心〉の名があるが,あわせて各宗の教理の優劣浅深を判釈(はんじやく)している。《十住心論》を簡略化したものに《秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)》3巻がある。【和多 秀乗】。…

※「秘蔵宝鑰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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