十住心(読み)じゅうじゅうしん

精選版 日本国語大辞典 「十住心」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐じゅうしんジフヂュウシン【十住心】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。心の一〇種の在り方段階づけたもの。凡夫の心から始まり、密教の心を最高の心とする。空海が定めた真言宗教判一つ。〔八宗綱要(1268)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十住心」の意味・わかりやすい解説

十住心
じゅうじゅうしん

仏教用語。空海が宗教意識の発達過程を 10種の心のあり方に分類したもの。 (1) 動物のような低俗な本能に支配される凡夫の心 (異生羝羊住心) ,(2) 人倫の道を守る程度の人の心 (愚童持斎住心) ,(3) 人間世間の苦しみを厭離して天上の楽を求める程度の心 (嬰童無畏住心) ,(4) 五蘊の法は実在するが我はないとする声聞の心 (唯蘊無我住心) ,(5) 人間の苦の根本である原因を取除こうとする縁覚の心 (抜業因種住心) ,(6) 人法の二我を離れ慈悲心によって衆生を救おうとする心 (他縁大乗住心) ,(7) 心の不生を覚る心 (覚心不生住心) ,(8) あるがままの真理を悟る心 (一道無為住心) ,(9) 真如によって現れることを知る心 (極無自性住心) ,(10) 真言の秘密の法門を悟る心 (秘密荘厳住心) 。

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