秩父人形(読み)ちちぶにんぎょう

改訂新版 世界大百科事典 「秩父人形」の意味・わかりやすい解説

秩父人形 (ちちぶにんぎょう)

埼玉県秩父地方には7ヵ所の人形芝居が知られ,三人遣い,二人遣い串人形,一人遣い指人形と形式も多い。そのうち横瀬村(現,横瀬町)横瀬の人形を〈秩父人形〉と称した。〈横瀬袱紗(ふくさ)人形〉ともいう。この人形芝居は明治維新直前ごろ同村出身の説経節薩摩佐登太夫が創始した。右手を背中から差し込み,人差指と中指かしらを挟む指人形で,全長は60cmほど。左手で衣装の裾を袱紗のようにさばく。舞台は回り機構をもつ豪華なもので,《小栗判官実道記(おぐりはんがんじつどうき)》など10数曲ある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 正大

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む