改訂新版 世界大百科事典 「秩父人形」の意味・わかりやすい解説 秩父人形 (ちちぶにんぎょう) 埼玉県秩父地方には7ヵ所の人形芝居が知られ,三人遣い,二人遣い串人形,一人遣い指人形と形式も多い。そのうちの横瀬村(現,横瀬町)横瀬の人形を〈秩父人形〉と称した。〈横瀬袱紗(ふくさ)人形〉ともいう。この人形芝居は明治維新直前ごろ同村出身の説経節,薩摩佐登太夫が創始した。右手を背中から差し込み,人差指と中指でかしらを挟む指人形で,全長は60cmほど。左手で衣装の裾を袱紗のようにさばく。舞台は回り機構をもつ豪華なもので,《小栗判官実道記(おぐりはんがんじつどうき)》など10数曲ある。執筆者:西角井 正大 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by