日本大百科全書(ニッポニカ) 「移植機」の意味・わかりやすい解説
移植機
いしょくき
苗を本圃(ほんぽ)に移し植えるのに使用する機械。ビート、タバコ、キャベツ、タマネギなどを移植する畑作用の機械と、水稲の移植に用いる田植機がある。通常、移植機という場合は畑苗定植機をさす。現在使用されているものはほとんどが半自動式の機械で、苗床で育苗した幼苗を移植機に人手で供給すると、1株ずつ機械が苗を送り出し、植え付け用の溝切りした位置に苗を置き、土寄せの作業工程まで行う。この苗植え機構には、苗を挟んで作溝の中に置いていくホルダー型と、弾力性のある2枚の回転円板で挟んで植え付けていく円板型がある。いずれもトラクターに牽引(けんいん)されながら定植条数に応じた人数の作業者が座乗し、苗を供給する方式である。ほかに育苗用のペーパーポットを使用し省力化を図る畑苗定植専用機が日本で開発され、1990年代から利用され始めた。
[宮澤福治]