稲積鍾乳洞(読み)いなづみしょうにゅうどう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲積鍾乳洞」の意味・わかりやすい解説

稲積鍾乳洞
いなづみしょうにゅうどう

大分県南部、豊後大野市(ぶんごおおの)三重町(みえまち)中津留(なかづる)にある水中鍾乳洞。稲積山(572メートル)の東麓(とうろく)に開口する世界的にも珍しい水中鍾乳洞で、全長1キロメートル。1976年(昭和51)から調査、観光設備をして、1977年開洞した。阿蘇(あそ)溶結凝灰岩出口をふさがれて水没、水中に鍾乳石石筍(せきじゅん)などの二次生成物が発達し、さらに地表水侵食で一部開口、排水されたが、大部分が二次生成物とともに水没したまま現在に至ると考えられている。JR豊肥(ほうひ)本線三重町駅からバス30分。

[兼子俊一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の稲積鍾乳洞の言及

【三重[町]】より

…菅尾(すがお)石仏(史)は大野川に臨む断崖に刻まれた5体の石仏で,平安時代末期のものと推定されている。稲積(いなづみ)鍾乳洞では,洞内にたたえられた水の底に鍾乳石が見られ,水中宮殿として観光客を集めている。【萩原 毅】。…

※「稲積鍾乳洞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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