石筍(読み)セキジュン

デジタル大辞泉 「石筍」の意味・読み・例文・類語

せき‐じゅん【石×筍】

鍾乳洞しょうにゅうどうの床にみられる、たけのこ状の岩石。上壁から落ちるしずくの中に含まれている石灰分が沈殿して固まったもの。方解石からなる。
[類語]鍾乳石石柱

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精選版 日本国語大辞典 「石筍」の意味・読み・例文・類語

せき‐じゅん【石筍】

  1. 〘 名詞 〙 鍾乳洞に見られるたけのこ状の岩石。水に溶けた石灰岩天井から滴下して固まったもの。方解石から成る。上壁の鍾乳石に対して床に生ずるもの。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石筍」の意味・わかりやすい解説

石筍
せきじゅん

鍾乳洞(しょうにゅうどう)の天井から下方に成長した鍾乳石とは反対に、鍾乳洞の天井から滴下する水滴中の炭酸カルシウムが洞床上に沈殿し、上方に向かってしだいにタケノコ(筍)状に成長したもの。普通、鍾乳石にはその芯(しん)に中空の管があるが、石筍にはこれがない。石筍には、円柱状の単純なものや複雑な形をした塊状の巨大なものなど多くの種類がある。大きい石筍の上方の鍾乳石は小さい場合が多い。

[三井嘉都夫]

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百科事典マイペディア 「石筍」の意味・わかりやすい解説

石筍【せきじゅん】

鍾乳(しょうにゅう)洞内にできる炭酸カルシウムの沈殿物一種。天井から滴下する水滴中の炭酸カルシウムが床面上に沈殿,次第に成長して,たけのこ状となったもの。
→関連項目鍾乳石

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石筍」の意味・わかりやすい解説

石筍
せきじゅん
stalagmite

石灰洞 (鍾乳洞) の中で,炭酸カルシウムが溶けた水が天井から滴下して,床の上に生じたたけのこ状の沈殿物。上方からの鍾乳石と対になって発達し,2者が連なると石灰柱となる。

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岩石学辞典 「石筍」の解説

石筍

石灰岩の洞窟溶液落下して,床または壁に柱状(筒状)に固まったカルシウム炭酸塩の堆積物[Bertand : 1763].鍾乳石と同様の成因によるもの.ギリシャ語のstalagmaは落下,したたる物の意味

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普及版 字通 「石筍」の読み・字形・画数・意味

【石筍】せきじゆん

石笋

字通「石」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の石筍の言及

【鍾乳洞】より

…石灰華travertineは地下水に溶存している炭酸カルシウムCaCO3が水温の変化や水の蒸発などのため炭酸ガスCO2の空中への放出によって過飽和となり,沈殿して方解石の結晶となったもので,それが諸種の洞穴生成物をつくる(図)。洞の天井からつらら状に垂れ下がる鍾乳管や鍾乳石,その直下の洞床に筍状に生長する石筍(せきじゆん)stalagmite,この両者が連結した石灰華柱(石柱ともいう),内傾した洞壁から幕状に垂れ下がる石灰幕limestone curtain,外傾した洞壁に滝状にかかる流華石の一種である石灰華滝,傾斜地を流れ下る水流によってつくられた畦石プールが何段にも鱗状に並んだ石灰華段丘travertine terraceなど変化に富んでいる。また,水滴の落下する池の中につくられる洞穴真珠,天井や洞壁から浸透水によって生長した曲がりくねったヘリクタイト,水面に浮かんだ浮遊カルサイトなどの興味深い生成物の見られるところもある。…

※「石筍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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