最新 地学事典 「積層欠陥」の解説
せきそうけっかん
積層欠陥
stacking fault
面心立方格子や六方格子などの密充塡構造をもつ結晶,あるいは層状構造をもつ結晶にみられる面状の格子欠陥。例えば密充塡構造では,積層順序がABC,あるいはABとして表せる。ここで,1枚の格子面が新たに挿入ないし除去されるか,1枚の格子面を境にしてすべりが起こると,この積層順序に狂いが生じ,ABCA↓ CABC, ABA↓CBCなどの積層順序になる。積層のこの種の狂いを積層欠陥と呼ぶ。ここでの原子当りのエネルギーの差は小さく,積層欠陥は結晶内部に局部的に存在でき,結晶端に達する必要はない。その周縁は部分転位で境される。透過電子顕微鏡法などで直接観察されており,固体の可塑性や結晶のポリタイプの形成などに重要な役割を果たす格子欠陥である。
執筆者:砂川 一郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

