積率(読み)せきりつ(その他表記)moment

翻訳|moment

改訂新版 世界大百科事典 「積率」の意味・わかりやすい解説

積率 (せきりつ)
moment

モーメントともいう。統計学で度数分布確率分布散布の大きさを測り,分布を特徴づけるのに役だつ。変量X(例えば身長)を観測して度数分布(x1f1),(x2f2),……,(xnfn)が得られたとき,ある一定の値aからの度数分布の変動の大きさを測るのに,rを正の整数として,なる量を考え,これをaのまわりのr次の積率と呼ぶ。a=0のときは単にr次の積率という。とくに一次の積率を平均値といい,平均値のまわりの二次の積率を分散という。これらをそれぞれxs2とかく。ただし,とおく。分散の平方根s標準偏差という。aのまわりの二次の積率がもっとも小さくなるのはaxのときである。標準偏差sは標本値のちらばりの程度を表すもので,sが小さいほど標本値が平均値xの近くに集まっている。二次以上の高次の積率は,分布のゆがみやとがりの程度を表すのに使われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「積率」の意味・わかりやすい解説

積率
せきりつ

「モーメント」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の積率の言及

【モーメント】より

…能率ともいう。図のように軽い棒の両端に重さがW1,W2の物体をつるし,中間で支えてつりあわせるには,l1W1l2W2となる点を支えることが必要である。このとき重力W1が棒を左へまわそうとする働きと,W2が棒を右へまわそうとする働きがつりあうからと考えられる。このことは,力Fが物体を回転させようとする働きが,力の大きさFだけでなく,支点と力の作用線(力が働いている点をとおり力の方向にひいた直線)の間の距離にも比例することを示す。…

※「積率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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