精選版 日本国語大辞典 「確率分布」の意味・読み・例文・類語
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確率変数Xが与えられると、任意の区間Iに対して、Xの値がIに属する確率Φ(I)=P(X∈I)が決まる。このΦをXの確率分布、または単に確率分布という。確率分布のうちでとくに重要なものは二項分布、ポアソン分布、正規分布である。これらについてはそれぞれの項目をみられたい。
たかだか可算集合A={a1,a2,……}において
であるような確率分布を離散分布という。また、有限個の点を除いて連続な関数f(t)≧0があって、任意の実数xに対して
が成り立つとき、この分布を連続分布といい、f(x)を確率密度または密度関数という。
以下、確率分布の例をあげる。
(1)一様分布 確率変数Xのとる値が有限個であって、どの値をとる確率も等しいとき、すなわち、a1、a2、……、anを相異なる実数として、P(X=ai)=1/n(i=1,2,……,n)のとき、Xの確率分布を離散型の一様分布という。
(2)超幾何分布 赤球がn個、黒球がN-n個入っている袋の中からr個の球を取り出したとき、そのなかに含まれている赤球の個数をXとすると、Xの確率分布は次式で与えられる。
ただしkは0≦k≦n、0≦r-k≦N-nの範囲を動くものとする。この確率分布を超幾何分布という。この名称は、級数
が超幾何級数で表されることに基づく。
(3)パスカル分布・幾何分布 ある試行において事象Eのおこる確率をpとする。この試行を独立に繰り返すことにして、事象Eがr回おこるまでにEがおこらなかった回数をYで表すと、Yの確率分布は、q=1-pとして
P(Y=k)=r-1+kCkqkpr (k=0,1,2,……)
となる。この確率分布をパスカル分布という。とくにr=1の場合を幾何分布ということもある。
(4)負の二項分布 前記のパスカル分布においてrは正の整数であった。rを正の実数αとした場合
で与えられる確率分布を負の二項分布という。この名称は、各項が指数が負である場合の二項展開から得られる級数
の各項になっているからである。
前記の例(1)~(4)は離散分布である。次に連続分布の例をあげる。
(5)一様分布a<bとして、確率密度が
で与えられる分布を連続型の一様分布という。
(6)コーシー分布 確率密度が
で与えられる分布をコーシー分布という。
(7)指数分布 確率密度が
f(x)=(1/2)e-|x|
で与えられる分布を指数分布という。
(8)ガンマ分布 λ>0,α>0として、確率密度が
で与えられる分布をガンマ分布という。ここでΓ(λ)はガンマ関数である。
(9)対数正規分布 確率変数Xの分布が正規分布N(m,σ2)であるとき、確率変数Y=exの分布を対数正規分布という。確率密度は次の式で与えられる。
(ただしexpAはeAを表す)
この分布は所得の分布など経済統計に現れる。この分布をもつ母集団からの任意標本に対しては相乗平均が重要である。
(10)χ2分布、t分布、F分布 χ2分布はカイ二乗分布と読む。これらの分布については標本分布の項をみられたい。
なお、前記(8)のガンマ分布において、nを正の整数としてλ=n/2、α=1/2と置いたものは自由度nのχ2分布である。
[古屋 茂]
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