空ける(読み)ウツケル

デジタル大辞泉 「空ける」の意味・読み・例文・類語

うつ・ける【空ける/虚ける】

[動カ下一][文]うつ・く[カ下二]《「うつ(空)」の動詞化
気が抜けたようになる。ぼんやりする。「―・けた顔つき」
中がうつろになる。
「鹿の角のごとくして―・けたる国なり」〈熱田神宮本神功紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「空ける」の意味・読み・例文・類語

うつ・ける【空・虚】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うつ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「うつ(空)」を活用させた語 )
  2. 中がからになる。また、内容が空疎になる。
    1. [初出の実例]「今(いま)御孫尊(みまごのみこと)の望(をせ)る国は譬(たとへ)ば鹿角(しかのつの)の如く無実(ウツケタル)国なり」(出典日本書紀(720)神功摂政前(北野本訓))
  3. 気分、体力などが衰える。
    1. [初出の実例]「衣は纔かに体(み)を蔽(かく)すばかり、食は但だ懸(ウツケ)たるを支ふばかり」(出典:南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二)
  4. 心が身体からぬけてしまったような状態になる。ぼんやりする。また、まがぬける。ばかげる。
    1. [初出の実例]「気力(いきちから)(おとろ)へ邁(すぎ)て老い耄(ほれ)(ウツケ)(つか)れたり」(出典:日本書紀(720)顕宗二年九月(図書寮本訓))
    2. 「やれやれうつけた事を云人じゃ」(出典:天理本狂言・骨皮(室町末‐近世初))

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