空米切手(読み)クウマイキッテ

精選版 日本国語大辞典 「空米切手」の意味・読み・例文・類語

くうまい‐きって【空米切手】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、大坂の諸藩蔵屋敷が発行した、蔵米の裏付けをもたない米切手。市場で取引されるが、蔵屋敷から実際に米の引渡しを受けられない。
    1. [初出の実例]「去巳年被仰出候通、空米切手に准候間」(出典:御法度御触帳‐明和二年(1765)八月一八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の空米切手の言及

【米切手】より

…だが実情は米代銀の完納のみで,蔵出期限を遵守せず,米切手の所有者による転売・質入れが,さらに延売買も行われていた。その間先物取引も横行し,在庫米の裏付けのない空米切手の発行もみた。発行事情からこれには,未着米に対する代銀先納の先納切手,在庫米以上に発行された過米切手,落札日・落札人名不記載の坊主切手,貨幣借入担保として蔵屋敷が出した調達切手がある。…

※「空米切手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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