穿孔病(読み)せんこうびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「穿孔病」の意味・わかりやすい解説

穿孔病
せんこうびょう

モモアンズウメなどの病気で、葉、果実に発生する。葉に小さい褐色の病斑(びょうはん)ができると、健全部との間に離層ができやすく、病斑の部分がすぐ離脱して穴があくので、穿孔の名がある。病原は不完全菌類のプソイドセルコスポラPseudocercospora属菌および子嚢(しのう)菌レプトスフェリアLeptosphaeria属、ミコスフェレラMycosphaerella属菌の寄生によっておこる。また、モモではこれによく似た病気でおもにキサントモナスXanthomonas属の細菌の寄生によるものがあるが、これは、穿孔細菌病とよんで区別している。果実に黒色斑点ができるので、被害は穿孔病よりも大きい。

[梶原敏宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android