改訂新版 世界大百科事典 「竜ヶ崎」の意味・わかりやすい解説
竜ヶ崎[市] (りゅうがさき)
茨城県南部の市。1954年市制。人口8万0334(2010)。北部は常総台地の末端,南部は利根川の支流小貝川が形成した沖積地で,西に牛久沼がある。中世には常陸・下総両国の境界部にあたり,江戸時代には仙台藩の飛地であった。1900年,市街地と現JR常磐線佐貫駅を結ぶ竜ヶ崎鉄道(現,関東鉄道竜ヶ崎線)が開通し,繭や竜ヶ崎木綿の集散地として栄え,製糸業も盛んになった。また製麵業もおこった。第2次大戦時の軍事工場跡に,戦後,建設資材の工場が立地し,現在は北部台地に大規模な工業団地が造成され,機械,電気機器などの工業が盛んとなっている。農業は,沖積地での米作のほか,トマト,キュウリ,花卉などの施設園芸も行われている。68年から住宅・都市整備公団の竜ヶ崎ニュータウン建設が進み,東京都心から50km圏内に位置することも加わって急速に都市化が進展した。市北西部,若柴町の金竜寺にある絹本著色十六羅漢像は国の重要文化財。中心の竜ヶ崎には流通経済大学がある。
執筆者:中川 浩一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報