日本大百科全書(ニッポニカ) 「竜州」の意味・わかりやすい解説
竜州
りゅうしゅう / ロンチョウ
中国南部、広西チワン族自治区南西端の崇左(すうさ)市に属する県および県政府所在地の鎮。竜州県の人口は27万(2015)。竜州鎮は珠江(しゅこう)水系の左江(さこう)上流に沿い、唐代から珠江水系を遡行(そこう)しベトナムに至る交通路の要衝として開かれ、少数民族支配の行政府が置かれた。1887年の清仏(しんふつ)条約により同自治区内で最初に対外開放された貿易港となった。左江は竜州で竜江と黎渓(れいけい)に分かれ、これらをさかのぼったベトナム国境には、水口関、平而関(へいじかん)が設けられていた。1930年鄧小平(とうしょうへい)らによる竜州起義(蜂起)の記念館や、小連城、花山崖壁画などの名勝・旧跡がある。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年8月21日]