競ふ(読み)キオウ

デジタル大辞泉 「競ふ」の意味・読み・例文・類語

きお・う〔きほふ〕【競ふ/勢ふ】

[動ハ四]勢い込んで先を争う。張り合う。
「水に入り火にも入らむと立ち向ひ―・ひし時に」〈・一八〇九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「競ふ」の意味・読み・例文・類語

きお・うきほふ【競・勢・気負キおふ】

  1. 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. ( 競 ) 負けまいとしてはりあう。競争する。せりあう。先を争う。
    1. [初出の実例]「渡る日の影に伎保比(キホヒ)て尋ねてな清きその道またも逢はむため」(出典万葉集(8C後)二〇・四四六九)
    2. 「風にきほへる紅葉の乱れなど、あはれとげに見えたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  3. 気力を集中してふるまう。勇みたつ。意気込む。勢いがある。
    1. [初出の実例]「ことの南風の声がきをわぬほどに楚のいくさ利を得まいと云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)五)
    2. 「こりゃきほひ給へと、せなかをたたきてそやし立られ」(出典:談義本・華鳥百談(1748)五)
  4. ( 気負 ) 自分こそはといった考えや態度をする。
    1. [初出の実例]「思い上りということがある。〈略〉『マルクス・レーニンの筋金』と気負うのもその一つかもしれぬ」(出典:ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉海へ)

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