競技登山(読み)きょうぎとざん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「競技登山」の意味・わかりやすい解説

競技登山
きょうぎとざん

登山の技術や知識のうちで,競技として判定できる要素を競うため,長らく国民体育大会 (国体) や全国高校総合体育大会 (高校総体) で採用されていた。縦走踏査登攀の3種目だが,重い荷物を背負って登山道を走ったり,テント設営のような生活技術や天気図・地図の読解力などをテストするなど,スポーツとしての整合性にいまひとつ欠けるところがあった。一方 1980年代から,フリークライミングの世界的波及を背景として,困難なところをいかに登るかを競うクライミングコンペティションがヨーロッパを中心に盛んになった。 1987年にフランスで開催された国際山岳連盟 UIAAの岩登り委員会でワールドカップ (W杯) ,世界選手権,地域別選手権の開催が決定され,1988年に記念すべき第1回W杯がアメリカで開催された。日本からはこれ以前にもいくつかの国際競技会に有志の形で選手が派遣されてきたが,以降は本格的に参戦。 1991年 10月にはアジア初のW杯が東京で開催され,平山ユージ (裕示) がなみいる強豪を抑えて優勝した。平山はのちに2回W杯シリーズ・チャンピオンに輝いている。また,国体登山も現在では国際ルールにそったものに変わっている。

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