フリークライミング(英語表記)free climbing

翻訳|free climbing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリークライミング」の意味・わかりやすい解説

フリークライミング
free climbing

山の頂上を目指すいわゆる登山の要素・手段としての岩登りを,目的や楽しみとして独立させたロッククライミングのうち,鐙(あぶみ)やロープ,はしごなどの道具(安全対策のための命綱を除く)を使わずに登攀するもの。1970年代頃から自然の岩場などを登る愛好者がアメリカ合衆国のヨセミテ国立公園に集まるようになり,レジャーとして人気が拡大,1980年代には欧米を中心に競技会が開かれるようになった。垂直をこして頭上に突き出た壁(オーバーハング)さえも登る技術の発展とともに競技スポーツ化がさらに進み,気象条件に左右されない室内などで突起物(ホールド)付きの人工壁を登るスポーツクライミングとしてルールが整備された。国際山岳連盟 UIAA内に専門の組織がつくられ,1989年には世界各国を転戦するワールドカップが,1991年にはドイツのフランクフルトで世界選手権が初めて開催された。2007年 UIAAから国際スポーツクライミング連盟 IFSCが独立。オリンピック競技大会では 2020年東京大会で開催都市提案枠として実施競技に追加されることが決まった。スポーツクライミングの種目には,高さ 15mの壁を 2人の選手が同時に登りゴールまでの速さを競う「スピード」,高さ 5m以内の壁に設定された複数課題コース)を制限時間内にいくつ登れるかを競う「ボルダリング」,命綱を使って高さ 12m以上の壁を登り,制限時間内で到達できる高さを競う「リード」があり,オリンピックではこの 3種目の総合成績でメダルを争う。(→競技登山

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