竹田からくり(読み)たけだからくり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹田からくり」の意味・わかりやすい解説

竹田からくり
たけだからくり

からくり見世物。ぜんまい仕掛けや水を使って,人形や道具を動かす妙技を見せる。1世竹田近江が時計からくりを工夫し,寛文2 (1662) 年大坂道頓堀浜側でからくりの専門劇場「竹田の芝居」を創立子供狂言や手踊りなどを添えて,安い料金で見せた。また,観客の種明かしを望む要求に応じ,『からくり訓蒙鑑草 (からくりおしえぐさ) 』 (1730) などの解説書を出版するなどして親しまれたが,明和5 (68) 年,4世のときに閉座。竹田からくりの機巧は,義太夫浄瑠璃に取入れられたほか,祭礼の山車人形などに残った。

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世界大百科事典(旧版)内の竹田からくりの言及

【からくり】より

…日本の機巧術が大きく発展するのは江戸時代のことで,日本の細工師たちはヨーロッパから渡来した機械時計にぜんまい,歯車,カム,クランクそして制御装置を目にし,これをもとに和時計をつくり,この時計技術を下敷きとして,からくりの夢を実現させた。竹田近江が考案した〈竹田からくり〉に代表される仕掛けものの人形芝居(竹田座)が盛況をみた江戸時代中期には,いっぽうで名古屋を中心に祭礼の〈屋台からくり〉が技術の粋をきそい,その遺品は今日では高山祭の〈竜神台〉や〈布袋(ほてい)台〉などの〈離れからくり〉にみることができる。いっぽう井原西鶴が〈茶をはこぶ人形の車はたらきて〉とよんで驚いた〈茶運(ちやはこび)人形〉に代表されるからくり人形も,江戸時代中期から精巧なものがつくられ,富裕な人々の玩具としてもてはやされた。…

※「竹田からくり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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