笹久保村(読み)ささくぼむら

日本歴史地名大系 「笹久保村」の解説

笹久保村
ささくぼむら

[現在地名]岩槻市笹久保

黒谷くろや村の西に位置し、西は笹久保新田。村域は岩槻台地と谷地からなり、集落は台地上に形成されている。中世には須久毛すくも郷に属したといわれ、野与党箕勾氏一族の須久毛氏の本領(名字の地)と伝える。野与党系図(諸家系図纂)によると、箕勾二郎為経の祖父経能の三子経元から須久毛を名乗っている。元禄一〇年(一六九七)頃の笹久保絵図(安藤家蔵)に「寿久毛谷田」「須久毛城館」の記載があり、「須久毛城館」の記されるところを土地ではスクモヤマと称している。ここに善念ぜんねん寺跡があり、寛元元年(一二四三)銘の阿弥陀種子一尊板碑(高さ地上二二七センチ)がある。嘉暦元年(一三二六)八月二六日の猿渡盛信和与状(金子文書)に「武蔵国須久毛郷」がみえ、鎌倉鶴岡八幡宮相撲奉行猿渡盛重子息盛信と相撲右方長貫首左近次郎守吉との間の同郷内給田畠をめぐる争いが和与で決着している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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