笹本恒子(読み)ささもとつねこ

知恵蔵mini 「笹本恒子」の解説

笹本恒子

日本の報道写真家。1914年生まれ、東京都出身。1940年、当時の内閣情報部等の出資で、海外への日本の宣伝を目的に設立された財団法人写真協会に入社し、日本初の女性報道写真家として活躍した。第2次大戦前は同協会の仕事でナチス・ドイツの青少年組織「ヒトラーユーゲント」の来日や日独伊三国同盟会合などを撮影し、大戦後は千葉新聞記者を経てフリーとなり、60年安保闘争や三井三池闘争などを取材、自筆記事とともに新聞や雑誌に写真を発表した。2011年吉川英治文化賞、日本写真協会賞受賞。写真集に『恒子の昭和』『100歳のファインダー』など、著書に『好奇心ガール、いま97歳』『97歳の幸福論。』『笹本恒子の「わたくしの大好き」101』などがある。16年9月16日、世界的な写真の賞であり、写真界のアカデミー賞とも言われる米の「ルーシー賞」が同氏生涯業績に対して贈られることが発表された。17年4月には日本写真家協会によって「笹本恒子写真賞」が創設される。

(2016-9-21)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「笹本恒子」の解説

笹本恒子 ささもと-つねこ

1914- 昭和後期-平成時代の写真家。
大正3年9月1日生まれ。昭和15年写真協会に入会し,報道写真家として活動を開始。20年千葉新聞社に入社。22年フリーとなり,新聞,雑誌に写真,記事を提供し,多くの個展をひらく。写真集に「ふだん着の肖像 昭和20-30年代を彩った100人」「輝く明治の女たち “いま”に生きる45人の肖像」「素顔三岸節子60余年の想いをこめて」「昭和を彩る人びと 私の宝石箱の中から一〇〇人」など。日本初の女性報道写真家としての長年活動にたいして,平成23年吉川英治文化賞。東京都出身。

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