筆親(読み)ふでおや

精選版 日本国語大辞典 「筆親」の意味・読み・例文・類語

ふで‐おや【筆親】

〘名〙 (「筆」は鉄漿(かね)をつける羽筆の意) 室町時代ごろから、女子が成人した印として、初めて鉄漿をつけてお歯黒にする時、その世話をする女性。お歯黒親。鉄漿親。筆がしら。
浮世草子・色道大皷(1687)四「含歯黒(くくみがね)の筆おや」

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デジタル大辞泉 「筆親」の意味・読み・例文・類語

ふで‐おや【筆親】

《筆は鉄漿かねをつける羽筆の意》「御歯黒親おはぐろおや」に同じ。

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世界大百科事典(旧版)内の筆親の言及

【鉄漿】より

…その後,若者との交際が認められたのである。また,初鉄漿のおりには鉄漿親,鉄漿付け親,筆親などと呼ばれる女性,もしくは1組の夫婦との間に擬制的親子関係を結ぶ慣習も広くみられた。鉄漿親としては親類の者とか,村内の中年以上の適当な女性が選ばれるが,婚礼時の初鉄漿の場合には仲人が兼ねることが多かった。…

※「筆親」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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