筑後国府跡(読み)ちくごこくふあと

国指定史跡ガイド 「筑後国府跡」の解説

ちくごこくふあと【筑後国府跡】


福岡県久留米市合川町にある官衙(かんが)跡。筑後平野の南辺を西流した筑後川が流れを大きく南へ変える下流左岸の低台地上に位置する。1961年(昭和36)の発掘調査で、築地跡、掘立柱建物跡の遺構や瓦、円面硯(すずり)などの遺物が発見され、同地区に奈良時代の大規模な官衙が営まれたことが確認された。1972年(昭和47)からの調査では、時期を異にする大規模な官衙跡が4ヵ所で確認され、国府が4期にわたって変遷する様相が明らかになった。この筑後国府は、古代から中世前期までの国府の移転・存続が考古学的に実証されたまれな例であるとともに、国庁と国司館地区との位置関係が解明され、たことなどから、1996年(平成8)に国の史跡に指定された。その後の調査でも、重要な官衙施設としての機能をもつ建物や役人の住居跡が確認されたことなどから、筑後国府の成立過程を知るうえで重要な遺構とされ、2007年(平成19)に追加指定を受けた。筑後国府跡歴史公園整備事業が進められている。JR久大本線久留米大学前駅から徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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