日本大百科全書(ニッポニカ) 「管球ガラス」の意味・わかりやすい解説
管球ガラス
かんきゅうがらす
glasses for lamps
電球、蛍光灯、特殊な電球、X線管、ブラウン管など、単に照明用の材料としてだけでなく、広く管球の材料となるガラスをいう。管球に共通するのは、フィラメントに電気を伝えるリードワイヤが管球基部(ステム)を貫通していて、ここの気密性を保つ必要がある点である。胴部には目的により細工性のよいガラス(サークルライン)、耐熱性の石英ガラス(シリカガラス。水銀灯)、ナトリウム蒸気に耐える非ケイ酸ガラス(ナトリウム放電灯)、なまし作業の要らない低膨張ガラス(シールドビーム)が使われる。また、X線管球やブラウン管などではX線を吸収しやすく、またそれによって着色しないガラスが使われている。したがって、これらには酸化鉛、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化ベリリウムなど、一般のガラス組成とはかなり異なった成分が含まれている。
[境野照雄・伊藤節郎]