日本大百科全書(ニッポニカ) 「酸化バリウム」の意味・わかりやすい解説
酸化バリウム(データノート)
さんかばりうむでーたのーと
BaO | |
式量 | 153.3 |
融点 | 1918℃ |
沸点 | ~2000℃ |
比重 | 5.72 |
結晶系 | 立方 |
屈折率 | (n) 1.98 |
溶解度 | 1.5g/100g(水0℃) |
酸化バリウム
さんかばりうむ
barium oxide
バリウムと酸素の化合物。重土、バライタともいう。水酸化物や硝酸塩の熱分解によって得られるが、解離圧が低いので、工業的には炭酸塩に炭素を加え、電気炉で1200℃以上に加熱している。
BaCO3+C―→BaO+2CO
白色の固体で六方晶系のものも存在する。酸化カルシウムに似た性質を示すが、化学的にはより活発で、多量の熱を発して水や炭酸ガスと反応し、水酸化バリウムや炭酸バリウムとなる。硝酸、塩酸などのほか無水アルコールにも溶ける。空気中で約550℃に熱すると過酸化バリウムとなる。
2BaO+O2―→2BaO2
水酸化バリウムの製造原料となるほか、脱水剤としても使用される。
[鳥居泰男]