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電球 デンキュウ

百科事典マイペディアの解説

電球【でんきゅう】

白熱電球

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世界大百科事典 第2版の解説

でんきゅう【電球 incandescent lamp】

白熱電球ともいう(図)。1879年にアメリカのエジソン,ほぼ同じころイギリスのスワンJ.W.Swanによって発明され,今日の電灯照明時代の開幕となった。 発光部はフィラメントと呼ばれ,これに電流を流して高温に熱し発光させる。エジソンの電球ではフィラメントに京都府綴喜(つづき)郡八幡町でとれた竹を焼いて作った炭素が用いられたが,現在ではタングステン線をコイル状に巻いたものが使われている。空気中でタングステンを高温に熱するとたちまち焼き切れてしまうので,通常,約3/4atm(点灯時には約1atm)のアルゴンガスを封入したガス入り電球が使われている。

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大辞林 第三版の解説

でんきゅう【電球】

不活性ガスを封入したガラス球の中にタングステン線でつくったフィラメントを入れ、電流を通して発光させるもの。白熱電球。電気の球たま

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電球
でんきゅう

白熱電球」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電球
でんきゅう

ガラス球の中にアルゴン、窒素などの不活性ガスを封入し、細いタングステン線でつくられたフィラメントに電流を流して、2000℃以上の高温から放射する光を利用したランプ。フィラメントの白熱を利用するので白熱電球ともいい、またフィラメントにタングステン線を使用しているのでタングステン電球ともいう。さらに古くから代表的な電気照明として、電灯ともいわれている。[小原章男・別所 誠]

歴史

(1)炭素電球 電球は1879年エジソンによって、炭素電球として実用化されている。同じころスワンは、エジソンと独立に真空炭素電球をつくっている(1878)。エジソンは1877年から電球の研究に着手し、高い抵抗値をもつフィラメントの材料に苦心し、炭素、紙、木綿糸、亜麻(あま)糸などを使って試みたが、通電後せいぜい10分ぐらいで切れてしまった。1879年10月19日、木綿の縫い糸を高温で処理し、酸素を残さないように炭化したものを馬蹄(ばてい)形に成形して、ガラス球の中に封止し、水銀真空ポンプを用いて空気を100分の1気圧まで排気して電球をつくった。これに電流を通すと、10月21日まで40時間余り光り輝いたといわれている(この日を記念して、日本では、1981年から「あかりの日」が制定された)。しかし、木綿の炭素フィラメントは機械的に弱かったので、植物性繊維の研究を続け、竹の繊維が優れていることに着眼した。1880年、日本をはじめ東南アジアから南アメリカに至る各地の竹を試験した結果、京都石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)周辺にある真竹がもっとも優れていることを発見した。竹のフィラメントは、セルロースにかわるまで約10年間使用された。
 日本の電球製造業は、1887年(明治20)の東京電燈(でんとう)会社(現、東京電力)の本格的な開業のときに始まる。初め電球は輸入に頼っていたが、1890年に藤岡市助(ふじおかいちすけ)は白熱舎(東芝の前身の一つ)を創立して、研究を進め、同年8月12日、竹のフィラメントを使って、電球12個を製作した。これが国産化の始まりといわれている。
(2)タングステン電球 炭素フィラメントは、1800℃ぐらいの温度になると炭素が蒸発し、ガラス球が黒くなる難点があった。タングステンの粉末を結着剤で固めて押出しタングステンとし、それを使ったフィラメントが1906年アメリカで発明された。しかしそれももろいという欠点があった。1910年W・D・クーリッジはタングステンを細い線(引線タングステン)にすることに成功した。タングステン電球の始まりである。タングステンのフィラメントは炭素のものより高温にできるので、効率が飛躍的に向上し、寿命も長くなった。そのため炭素電球は使われなくなった。日本ではタングステン電球を1911年(明治44)に実用化している。
(3)ガス入り電球 1913年アメリカのI・ラングミュア(1932年にノーベル化学賞を受賞)は、コイルしたフィラメントを使い、ガラス球内に窒素ガスを封入して、フィラメントのタングステンの蒸発を抑えることによって、寿命を延ばすことができることをみいだした。真空電球よりガラス球の黒化が少なく、フィラメントの温度も高くすることができるので、光色がよく、効率も向上した。日本では1915年(大正4)に完成し、その後、アルゴンガスまたはアルゴンと窒素の混合ガスの封入となっている。ただし、フィラメントが細く長い小ワットの電球では、ガス入りの効果が少ないので、現在でも真空のものが多い。またガス入りにすると、フィラメントの熱が伝導、対流などによって失われ、フィラメントの温度を下げるので、これを防ぐためコイルしてフィラメントの形状を小さくしていた。1921年東京電気(東芝の前身の一つ)の三浦順一(みうらじゅんいち)は、二重コイルにすることによって、単一コイルより効率が相当向上することをみいだし、二重コイル電球を発明した。これは1928年(昭和3)に映写用電球で実用化され、1936年には一般電球にも採用された。
 1925年東京電気の不破橘三(ふわきつぞう)は、ガラス球内面をフッ化水素酸で処理した内面つや消しガラス電球を発明した。当時の電球は透明バルブ球が多く、グレア(まぶしさ)が問題であったが、これを解決したものである。1976年(昭和51)シリカ(二酸化ケイ素)塗布ガラス電球に移行するまで、一般照明用電球の主流であった。[小原章男・別所 誠]

構造と原理

一般照明用電球のフィラメントは、タングステン線をコイル状にして使用される。普通二重コイルが多い。ガラス球は、透明または透光性のよい白色塗装膜(シリカなど)が塗布され、ガラス球の中は真空または不活性ガス(アルゴン、窒素など)が封入されている。ガラス球の形状は、用途に適した形が使用される。
 電球は、高温のフィラメントからの熱放射による白熱光を利用しているので、連続スペクトルであり、演色性がよい。一般照明用電球100ワットのフィラメント温度は、約2500℃(色温度2856ケルビン)で、可視光は入力電力の約10%である。その他の放射はほとんど赤外線である。フィラメント温度を高くして、光色をよくした電球が写真撮影用(色温度3360ケルビン)であり、また、フィラメント温度を下げて、赤外線の割合を多くしたのが赤外線電球である。[小原章男・別所 誠]

種類

(1)一般照明用電球 住宅、店舗などの一般照明には、ガラス球の内面にシリカなどを塗布した白色塗装電球(10~100ワット)、白色ボール電球(20~200ワット)が多く使用されている。そのほかに透明ガラス球の透明電球(20~200ワット)、青色コーティングガラス球の昼光電球(40~100ワット)、ガラス球の頂部にアルミ反射膜を蒸着させて、間接光を利用する半反射型電球(シルバーボール電球、40~100ワット)、熱損失の少ないクリプトンガスをアルゴンガスと混合封入して寿命を2倍にしたクリプトン電球(36~90ワット)などがある。
(2)装飾用電球 照明にアクセントを与え、装飾も兼ねるキャンドル型のシャンデリア電球(25~60ワット)、細いガラス管内に数個のフィラメントを並べた棒状電球(40~100ワット)、小型のベビー電球やミニ電球(2~5ワット)がある。また、装飾、電気サインなどの色彩照明用として、ガラス球を赤、黄、緑、青などの塗料で着色したカラー電球やクリスマス電球などがある。
(3)反射型電球 ガラス球の内面にアルミニウムなどを蒸着した反射膜によって一方向に光を出す電球(40~500ワット)である。光の広がりの大きさによってスポット(狭角)形とフラット(広角)形とがある。PAR形電球(ビーム電球、68~150ワット)は反射面と光が出るレンズ面からなり、レンズによってスポット形とフラット形とがある。一般反射型電球より集光性がよく、店舗照明にアクセントをつけるのに適している。また赤外線(熱線)も放射するので、これを少なくするため、レンズの前面ガラスの内面に透明な赤外線反射膜を施したり、反射面に可視光線と赤外線とを分離する多重干渉膜をコーティングして、赤外線のみ反射面後方に逃がすようにしたものがある。赤外線を少なくした反射型電球は、手術室、ロビー、ホール、店舗などに使用されている。
(4)自動車用電球 前照灯用シールドビーム電球は、反射面、前面レンズ、二つのフィラメントなどから構成される。フィラメントを切り替えることによって、ビーム配光は、前面の障害物を見るための走行ビームと、対向車にまぶしさを与えないすれ違いビームとに使い分けられる。自動車用小型電球は、前照灯、室内灯、パイロット灯、尾灯、側灯など種類が多い。表示灯として口金のないウェッジベース型が多く使用されている。点灯電圧は6ボルト、12ボルトまたは24ボルトと低い。1980年代、前照灯用シールドビームの多くがハロゲン電球に置き換わったが、2000年以降はさらに高輝度放電(HID)ランプや発光ダイオード(LED)ランプへ急速にかわりつつある。
(5)写真・スタジオ用電球 撮影用として、色温度3200~3400ケルビンの反射型電球や、カラー写真用として、青地ガラス球を用いた色温度4500~6000ケルビンの電球がある。写真引伸し用は、平頭形ガラス球内面に白色拡散膜を塗布している。暗室用には、フィルムや乾板に安全な微量の赤色光を出す電球を使っている。
(6)耐震用電球 船舶・車両用のもので、タングステン線の強度をあげ、しかもフィラメントを支えるアンカーの数を増やして、振動に耐えるようにした電球である。
(7)カナリア電球 酸化ウラン、またはウラン塩の蛍光物質を含んだ黄色みを帯びた透明ガラス球を用いた電球。紫外線の一部が蛍光物質により可視光に変換される。紫外線が出ないので目によいといわれ、また養蚕にも用いられたことがある。
(8)その他の電球 以上のほかハロゲン電球、標準電球、小型電球などが知られるが、さらに集魚灯用電球(イカ釣りなど)、映写用電球、鉱山用安全電球、医療用電球(手術灯、太陽灯、赤外線電球など)、道路・鉄道交通信号機用電球、航空機用電球など多くの用途に使われている。しかし、2000年代に入ると、より効率の高いLED照明製品や蛍光ランプなどに、急速に置き換わりつつある。[小原章男・別所 誠]

特性

電球は光色と演色性とに優れ、特別な点灯装置は必要なく、ソケットに差し込むだけで点灯できる。また各種の大きさのワット数に対応してガラス球も小型化できるので、用途に応じた使い方ができる。しかし蛍光ランプなどに比較すると、効率が低く、寿命も短い。電球の効率と寿命は設計によって決まり、フィラメントの特性から、効率を高くすると寿命が短くなる。100ワットの一般照明用電球では、効率15.2ルーメン/ワット、寿命は1000時間である。白色ボール電球は効率をすこし下げて、寿命を2000時間にしてある。
 一般照明用電球の光色は、色温度約2850ケルビンの暖かい白色光である。映写・写真撮影用は色温度3000ケルビン以上である。電源電圧の変動による特性の影響は大きく、電圧5%の変化に伴って、光束(明るさ)は15~20%上下し、寿命は逆方向に1.5~2.0倍も変化する。また寿命は、点滅回数を多くすると短くなる傾向にある。[小原章男・別所 誠]
『日本電球工業会編・刊『日本電球工業史・追補版』(1973) ▽東京芝浦電気編・刊『東芝百年史』(1977) ▽電気学会編・刊『照明工学・改訂版』(1978) ▽照明学会編『照明工学』(1978・オーム社) ▽照明学会編『照明ハンドブック』(1978・オーム社) ▽日本電球工業会編・刊『日本電球工業会史・第二追補版』(1983)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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