築・塑(読み)きずく

精選版 日本国語大辞典 「築・塑」の意味・読み・例文・類語

き‐ず・く ‥づく【築・塑】

〘他カ五(四)〙
① 土石などを積み重ねて、固めてつくる。
出雲風土記(733)出雲杵築の郷〈略〉天の下造らしし大神の宮を造り奉らむとして〈略〉宮処に参集ひて、杵築(きつき)たまひき。故(かれ)、寸付(きつき)といふ」
② 城やとりでなど堅固なものをつくる。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)五「大江山のふもとにつち城をきつき」
③ (比喩的に) 地位や体制などをしっかりと作る。「財を築く」「新家庭を築く」
[語誌]土石を突き固めて造成する意の「きづく(杵築)」と、城などをつくる意の「きつく(城築)」は、清濁やキの上代特殊仮名遣いにおける甲乙を異にし、本来は別語。後に区別があいまいになり、中世末頃まではおおむねキツク、その後はキヅクの語形をとって現代に至っている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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