米州活性化構想(読み)べいしゅうかっせいかこうそう(その他表記)Enterprise for the Americas Initiative; EAI

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米州活性化構想」の意味・わかりやすい解説

米州活性化構想
べいしゅうかっせいかこうそう
Enterprise for the Americas Initiative; EAI

中南米支援構想ともいう。アメリカのブッシュ大統領が 1990年6月に打出した対中南米経済協力政策。包括的政策宣言としてはケネディ政権の進歩のための同盟 (1961) 以来であるが,大規模な政府間援助計画ではなく,中南米で進行中のネオ・リベラリズム構造改革を側面から支援することで南北双方の民間活力を発揮させようというもので,以下の3つの趣旨をもつ。 (1) 米州自由貿易圏構想。 89年1月に発足した米加自由貿易協定への中南米諸国の順次加入を目指す。まず 92年8月メキシコを加えた3ヵ国の間で北米自由貿易協定 NAFTA締結の基本合意をみた。 (2) 中南米諸国圏の外資規制緩和促進。この目的のため米州開発銀行 IDBにアメリカ,日本,ヨーロッパからの出資により 15億ドルの基金を創設する。 (3) 中南米債務削減。ブレイディ計画方式に基づく民間債務の処理方式を推進し,かつ重債務国に対しては対米公的債務を削減する。その後クリントン政権の発足やガットのウルグアイ・ラウンドの妥結,アメリカ産業の競争力回復などにより,その重要度は低下した。

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