化学辞典 第2版 「粘度平均分子量」の解説
粘度平均分子量
ネンドヘイキンブンシリョウ
viscosity-average molecular weight
固有粘度[η]と分子量Mとの間には,Mark-Houwinkの実験式が成り立つことが知られている.すなわち,
[η] = kMa
である.ここで,kおよびaは高分子,溶媒の種類および測定の温度に依存するが,高分子の重合度には依存しない定数である.高分子,溶媒の種類および測定の温度が決まれば,k,aは実験的にその値を知ることができる.一方,実験によってその温度で高分子溶液の固有粘度を測定し,上記の実験式を用いて分子量を求めることができるが,このようにして求められた分子量を粘度平均分子量という.粘度平均分子量は,浸透圧法または光散乱法による平均分子量,すなわちそれぞれ数平均分子量,重量平均分子量によって求められた値の中間値を示す.それは定数aの値が0.5~1で中間値をとっているからである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報