粟井坂
あわいざか
[現在地名]北条市小川
和気郡と風早郡の境の難所。坂の上に宅並城跡がある。
中世はこの難所を道後の湯築城の防御線の一つとした。文明一一年(一四七九)阿讃の細川義春が侵入した時、南通景らが二〇〇余騎を率いて粟井坂を守り、宅並城に拠ったと「予陽河野家譜」に記される。
「伊予温故録」に「粟井泉」について「小川村粟井坂の下にあり湧泉にして清冽なり。大旱にも涸るゝこと無し」とある。また粟井坂関所跡近くの松の大木の下に「お石塔さま」とよぶ小堂宇があり、「南無阿弥陀仏」の名号石で、高さは一七五センチ。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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