デジタル大辞泉
「風早」の意味・読み・例文・類語
かざ‐はや【風早/風速】
風が強く吹くこと。多く「かざはやの」の形で、風の激しい土地の形容として用いる。
「―の三穂の浦廻を漕ぐ舟の舟人騒く風立つらしも」〈万・一二二八〉
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かざ‐はや【風早・風速】
- [ 1 ] ( 「はや」は形容詞「はやい(早)」の語幹 ) 風が激しく吹くこと。多く、「かざはやの」の形で、風の激しく吹く土地の形容として用いられる。
- [初出の実例]「加座
夜(カザハヤ)の美保の浦廻(うらみ)の白(しら)つつじ見れどもさぶし亡(な)き人思へば」(出典:万葉集(8C後)三・四三四) - 「伊勢加佐波夜(カザハヤ)の国は、美宮処に在りと」(出典:倭姫命世記(1270‐85頃))
- [ 2 ] 歌枕。広島県東広島市安芸津町風早か。
- [初出の実例]「わが故に妹嘆くらし風早(かざはや)の浦の沖辺(おきへ)に霧たなびけり」(出典:万葉集(8C後)一五・三六一五)
風早の補助注記
( 1 )[ 一 ]は地名とする説、「かざはやの」で地名「美保」にかかる枕詞とする説もある。
( 2 )[ 一 ]の「倭姫命世記」の例は枕詞「かむかぜの(神風━)」と同様の地名「伊勢」のほめことばと考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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風早
かざはや
古代から近世にかけての伊予国(愛媛県)の郡の一つ。現在の松山市の一部、忽那(くつな)諸島などの島嶼(とうしょ)を含んだ。古くは風速とも称し、『和名抄(わみょうしょう)』に風早と記された。近世は大洲(おおず)、松山両藩に分割されたが、松平氏入封後、島嶼を除いて松山藩領となる。1897年(明治30)に温泉郡に入り消滅した。郡名は風が強いの意ほか諸説がある。
[横山昭市]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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