日本大百科全書(ニッポニカ) 「粟島浦」の意味・わかりやすい解説
粟島浦(村)
あわしまうら
新潟県北端、岩船郡(いわふねぐん)にある日本海上の孤島の村。1889年(明治22)東岸の内浦(うちうら)と、西岸の釜谷(かまや)の2集落が合併、1島1村の村である。島は北東から南西に細長く、越後(えちご)(新潟県)の第三紀雁行(がんこう)性丘陵列の最前列にあたり、頁(けつ)岩と玢(ひん)岩の硬軟2層が海食を受けて奇景を呈し、景勝地として名高い。内浦港と対岸岩船港との間に定期航路が開け、約1時間で達する。漁業と観光の島で、春夏のタイの大謀網(だいぼうあみ)漁が行われ、アワビ・サザエが名産。島にはオオミズナギドリおよびウミウ繁殖地(国指定天然記念物)や、板碑の多い観音寺などがある。海水浴、キャンプ、磯(いそ)釣りも楽しめる。面積9.78平方キロメートル、人口353(2020)。
[山崎久雄]