精神分析入門(読み)せいしんぶんせきにゅうもん(英語表記)Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyse

改訂新版 世界大百科事典 「精神分析入門」の意味・わかりやすい解説

精神分析入門 (せいしんぶんせきにゅうもん)
Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyse

S.フロイトの代表的著作(1916-17)。フロイトが,1915年から16年,および16年から17年にかけての各冬学期に,医師や一般人聴衆を前にして,ウィーン大学で行った精神分析についての講義もとにしている。3部からなり,第1部は失錯行為,第2部は夢理論,第3部は神経症理論を扱っている。一般向けの概説ではあるが,フロイトはここで精神分析学の体系化と,神経症理論の確立を目ざしていた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の精神分析入門の言及

【フロイト】より

…例えばマルクス主義の実践に対する予見は,今日の世界情勢をみれば的中したといえる。
[啓蒙・対外活動とフロイトの評価]
 フロイトの手になる精神分析の総合的解説書としては,《精神分析入門》(1917),《続精神分析入門》(1933),絶筆となった未完の《精神分析概説》(執筆1938,刊行1940)がある。前2著は啓蒙書でもあるが,後者は簡潔ながら専門家向きで,しかも〈作業同盟〉〈自我分裂〉といった臨床的に重要な新概念が取り上げられており,フロイトの思考力の衰えはみじんも感じられない。…

※「精神分析入門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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