煮た繭を糸車に掛けて糸を取る作業にうたう労作歌。綿から糸を糸縒(いとより)車に掛けて取るときにもうたい,糸縒歌,糸取歌,糸引歌などともいう。また,歯車仕掛で取っ手をまわしながら糸枠に糸を巻く座繰(ざぐり)機の発達から,これを使いながらうたう女工たちの座繰歌が生まれたが,機械化がすすむとともに衰退した。古い歌ほどテンポがゆるやかで〈糸は正直だよむらから切れる むらが無ければ切れやせぬ〉(群馬県勢多郡)ともうたわれ,また近代の製糸工場では過酷な労働に泣く女工たちが〈糸や切れるな 座繰よ回れ 晩の仕舞が遅くなる〉(同地方)などの文句をうたった。古い糸繰りの風俗は歌舞伎踊や,沖縄の古典舞踊の《綛掛(かせかけ)》などに取り入れられている。
執筆者:浅野 建二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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