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座繰 ざぐりhand-reeling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

座繰
ざぐり
hand-reeling

繰糸者が椅子にすわって繰糸を行う方法。生糸の製造技術として,現在行われている最も原始的なもの。手回し式から足踏み式の機具が用いられる。そのため原料も一般に上繭を用いず,生糸の品質は劣る。荷口も多量にそろわないので,もっぱら国内用下級太糸がつくられている。座繰は奥州で行われた胴繰,あるいは関東から関西にかけて行われた手引から発展した製糸技術で,江戸時代末期の安政開港による生糸貿易の異常な発展により急速に発達し,1895年までは機械製糸をしのぐ発展を示したが,その後は機械製糸の外業部的な存在として行われるようになった。

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百科事典マイペディアの解説

座繰【ざぐり】

(1)幕末から明治まで日本で行われた繰糸法。なべで繭を煮て糸をたぐり,抱合させた生糸を歯車仕掛けで回転する枠に巻き取る。江戸時代の手引の約2倍の能率をあげたが,器械製糸におされ衰退

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世界大百科事典 第2版の解説

ざぐり【座繰】

繰糸女工が糸枠の回転をみずから行いつつ,生糸を繭から繰る方法の進んだもの。18世紀までの繰糸法は胴取や手挽と呼ばれる簡単なものであったが,奥州(福島)では19世紀初めの享和年間(1801‐04)に大小2個の溝車に調紐(しらべひも)(ベルト)をかけて糸枠の回転を速める奥州座繰が行われるようになり,上州(群馬)でも同じころ数個の坐(歯車)をかみ合わせて糸枠の回転を速める上州座繰が発明された。幕末開港による生糸需要の激増は,座繰技術の普及をもたらし,とりわけ上州座繰は1860年(万延1)信州諏訪へ,61年(文久1)甲州へ,66年(慶応2)飛驒へ,というように各地へ伝えられた。

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世界大百科事典内の座繰の言及

【生糸】より

…玉糸の繊度は60d以上のものが多いが,200dをこえるものもある。生糸は繰糸方法により,器械糸,座繰(ざぐり)糸に分類されるが,現在は自動繰糸機で作られる器械糸が大部分である。また生産国により,日本糸,中国糸,韓国糸などに分類される。…

※「座繰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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