糸脈(読み)イトミャク

デジタル大辞泉 「糸脈」の意味・読み・例文・類語

いと‐みゃく【糸脈】

患者の脈どころに糸を掛け、その端を持って糸に伝わる脈を計ること。昔、貴人などの肌に直接触れることを避けるために行われた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「糸脈」の意味・読み・例文・類語

いと‐みゃく【糸脈】

〘名〙
① 近世頃まで行なわれた医者の診察法の一つ。貴人の肌に触れるのをはばかり、絹糸一方を患者の手の脈どころに巻いて、離れたところから糸に伝わる脈搏(みゃくはく)を間接的にはかること。お糸脈。
※俳諧・千代見草(1692)「糸脈の数に打足す身のふるへ」
② 釣りの方法の一つ。さおを用いないで釣糸だけで釣ること。
※雑俳・柳多留‐一二二(1833)「糸脉で魚の名を知る釣上手」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android