紙野 柳蔵(読み)カミノ リュウゾウ

20世紀日本人名事典 「紙野 柳蔵」の解説

紙野 柳蔵
カミノ リュウゾウ

昭和・平成期のカネミ油症患者 元・カネミライスオイル被害者の会全国連絡協議会会長。



生年
大正1(1912)年8月1日

没年
平成13(2001)年2月22日

出生地
福岡県川崎町

学歴〔年〕
真崎高小〔昭和2年〕卒

経歴
農業を経て、昭和11〜41年古河鉱業大峰炭鉱で労働。43年PCBの混入したカネミ倉庫製の米ぬか油により、北九州市を中心に多数の被害が発生、紙野家でも一家5人全員が犠牲に。このカネミ油症の病苦からの出路を求めて、福岡県田川地区の被害者の会結成に尽力し、44年全国組織・カネミライスオイル被害者の会全国協議会初代会長に就任。45年原因企業のカネミ倉庫などを相手に筆頭原告として損害賠償請求訴訟を起こした。46年個人的に反公害運動を起こしたいと会長を辞任し、47年9月から3年8ケ月に渡り、北九州市のカネミ倉庫前で座り込みを続けた。カネミ油症事件の患者を支援し企業責任を追及している福岡県のグループ・カネミ油症を告発する会の象徴的な存在だった。49年訴訟から離脱著書に「怨念の民」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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