紛える(読み)マガエル

デジタル大辞泉 「紛える」の意味・読み・例文・類語

まが・える〔まがへる〕【紛える】

[動ア下一][文]まが・ふ[ハ下二]
他のものとよく似ていてとりちがえさせる。
「道ゆく悪太郎の悪戯いたずらと―・えてなるべし」〈一葉十三夜
まぜて区別がつかなくさせる。入り乱れさせる。
「花は雪雪は花にぞ―・へつる鶯だにも鳴かぬ春にて」〈栄花・本の雫〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「紛える」の意味・読み・例文・類語

まが・えるまがへる【紛・擬】

  1. 〘 他動詞 ハ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]まが・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 入りまぜて区別しにくくする。入り乱れさせる。
    1. [初出の実例]「天は名華及妙香末を雨りて繽紛(マガヘ)乱へ墜して」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
    2. 「世にしらぬ心地こそすれ有明の月のゆくへをそらにまがへて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)花宴)
  3. まちがえさせる。
    1. [初出の実例]「吾が岡に盛りに咲ける梅の花残れる雪を乱(まがへ)つるかも」(出典:万葉集(8C後)八・一六四〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android