精選版 日本国語大辞典 「索麺」の意味・読み・例文・類語
そう‐めんサウ‥【索麺・索麪・素麺】
- 〘 名詞 〙 ( 「さくめん」の変化した語 ) 小麦粉に水と塩とを加えてこねた種に、植物油を塗って細く引き伸ばして日に干したごく細いうどん状の麺。茹(ゆ)でたり煮込んだりして食べる。七夕祭の供物、盂蘭盆(うらぼん)の贈答にも用いられる。
- 索麺〈七十一番職人歌合〉
- [初出の実例]「素麺代〈同時、但両年分〉」(出典:金沢文庫古文書‐(年月日未詳)(鎌倉末)加賀国軽海郷年貢済物結解帳(七・五三九三))
- 「梶葉〈略〉索麪(ソウメン)をもりたる、いとすずしき物也」(出典:俳諧・類船集(1676)加)
索麺の語誌
( 1 )「索麺」はその名や製法から、中国からの伝来と考えられ、おそらく、鎌倉、室町時代に渡宋、渡明した仏僧が伝えたものであろう。日本の文献には室町時代頃から「索麺」が見られるが、後に音便で「さうめん(そうめん)」となった。
( 2 )室町末から近世にかけて一般化し、正保二年(一六四五)刊の「俳・毛吹草‐四」には、山城の「大徳寺蒸素麺」を始め、伊勢、武蔵久我、越前丸岡、能登和嶋、備前岡山など諸国の名物素麺が挙げられている。