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音便 おんびん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

音便
おんびん

単語の語中,語尾の一定の音節が発音の便宜に従って,イ (イ音便) ,ウ (ウ音便) ,ン (撥音便) ,ッ (促音便) に変化した現象。イ音便はキ,ギ,シ,リから (透垣〈スキガキ〉→スイガイ) ,ウ音便はク,グ,ヒ,ビ,ミから (白ク→白ウ) ,撥音便はニ,ビ,ミ,リから (死ニテ→死ンデ) ,促音便はチ,ヒ,リから (勝チテ→勝ッテ) 生じた。

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デジタル大辞泉の解説

おん‐びん【音便】

国語学での用語。発音上の便宜により、語中・語尾の音が他の音に変化すること。音声上は、音韻の脱落・転化・挿入などによる現象。イ音便ウ音便撥音便促音便の4種がある。

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百科事典マイペディアの解説

音便【おんびん】

日本語の音韻変化の一種。語中・語尾の音節キ・ギ・シ・リ等がイになるイ音便,ク・グ・ヒ・ビ・ミ等がウになるウ音便,ニ・ビ・ミ・リ等が撥(はつ)音になる撥音便,チ・ヒ・リ等が促音になる促音便の4種がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

おんびん【音便】

たとえば,〈つきたち〉が〈ついたち〉,〈かみかき〉が〈かうがい〉,〈をみな〉が〈をんな〉あるいは〈取りて〉が〈取って〉となるような音変化を総括して音便という。音便は,それ自体は音変化であるが,変化の結果が文法現象として固定した音便形になっており,今日では,顕著に認められる。なお,音便の一つの特徴は,歴史的かなづかいにおいても,表音的にこれを書くことである。音便にはつぎの4種類がある。(1)イ音便,(2)ウ音便,(3)はね音便(撥(はつ)音便),(4)つめ音便(促音便)。

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大辞林 第三版の解説

おんびん【音便】

国語学で、発音上の便宜から、単語の一部の音がもとの音とは異なった音に変わる現象をいう。イ音便・ウ音便・促音便・撥音便の四種の区別がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

音便
おんびん

書キテがカテ、高キがタカ、早クがハヤ、取リテがトテ、飛ビテがトデとなるような音変化(子音・母音の脱落、子音の同化・変化)を音便とよぶ。2語が複合した場合の上の語の末尾に生ずることが多く、次の4種に分けられる。
(1)イ音便(キ・ギ・シなどがイとなる) キサ←后(キサキ)、コデ←漕(コ)ギテ、マテ←マシテ
(2)ウ音便(ク・グ・ヒ・ビ・ミなどがウとなる) ハヤ←早ク、カバシ←カグハシ、コテ←請ヒテ、ヨデ←呼ビテ、タノデ←頼ミテ
(3)撥(はつ)音便(ニ・ビ・ミ・リなどがンとなる) シデ←死ニテ、トデ←飛ビテ、ヨデ←読ミテ、サカニ←盛リニ
(4)促音便(チ・ヒ・リなどがッとなる) タテ←立チテ、オテ←追ヒテ、アテ←有リテ
 現代では、古い時代に生じた音便形が固定化して用いられている場合(タマツ〔松明〕←焚(タ)キ松、カ〔笄〕←髪掻(カミガ)キ)と、動詞・形容詞の連用形のように音便形と元の形の両方が用いられる場合とがある。後者はいわば生きている音便とでもいうべきものだが、この場合、音便形・非音便形のいずれかを自由に選んで使うということはできない(この点が平安時代などと違う)。すなわち、動詞は、現代では四段動詞(サ行を除く)の連用形に助詞「て」「たり」や助動詞「た」がつく場合はかならず音便形を、「書ます」「よく遊よく学べ」のような場合はかならず非音便形を用いるのである。形容詞の連用形の音便形は、現代の共通語(東京語)では、「お早うございます」「暑うございます」のような言い方以外には用いないが、西日本方言では広く用いる。また、「買ひて」「会ひて」がカテ(→コーテ)、アテ(→オーテ)となるか、カテ、アテとなるかも、西日本と東日本とで分かれる。
 上代には音便の例はまれで、一般化するのは平安時代だが、和歌においてはのちのちまで音便形の使用は避けられた。音便発生の原因については、従来、「発音の便宜から」とされてきたが、これでは、「書き手」「漕ぎ手」がカイテ、コイデとならないことの説明ができない。また、四段動詞と違って上二段動詞は音便をおこさない(たとえば、置(オ)イテとはいうが起(オ)イテとはいわない)のはなぜかといったことも解決がついていない。音便の発生には漢字音の影響があろうとする説も古くからあるが、確定的ではない。[安田尚道]

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