紫溟会(読み)しめいかい

改訂新版 世界大百科事典 「紫溟会」の意味・わかりやすい解説

紫溟会 (しめいかい)

自由民権期の熊本の国権主義政党。会名は筑紫の海にちなむ。井上毅らの画策により,1881年9月佐々友房を中心に士族主体の学校党を母体として結成された。〈皇室ヲ翼戴シ立憲ノ政体ヲ賛立シ以テ国権ヲ拡張ス〉などを主張。当初,相愛社や実学党の糾合が策されたが,相愛社は不参加,実学党も2ヵ月後に脱退しなければならなかった(のち両党は民権主義の公議政党である九州改進党を結成)。82年済々黌を設立し《紫溟雑誌》を創刊。強固な団結力で県会の多数派を形成,国権主義の全国的拠点を樹立した。84年3月解党し紫溟学会に改めたが,89年2月規則を改正しその下に国権党を発足させた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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