改訂新版 世界大百科事典 「細塵計」の意味・わかりやすい解説
細塵計 (さいじんけい)
dust counter
大気中の微細塵埃(じんあい)の数量などを測る器械。塵埃を含む湿潤空気を断熱的に膨張させ,塵埃を核として凝結した霧粒の数を測るもの(エイトケン核計数器),塵埃による光の散乱を利用して計数するもの,外気を細隙を通して吸引し,その直後に置かれた板(ガラス板や粘着性物質を塗布したガラス板など)に細塵を捕捉し,捕捉した細塵を計数するもの(インパクターといい,板が何枚もつぎつぎに置かれたものをカスケード・インパクターという)がある。その他,遠心力や静電気を利用して細塵を捕捉するものや,荷電粒子が電場におかれた場合の移動速度を測定し,その値から求めるものもある。このように各種の方法を用いた多くの装置があるが,目的とする細塵の大きさの範囲などで,その種類を選択する。なお,大気汚染防止法で定められている浮遊粒子状物質(粒径10μm以下の固体あるいは液状で,大気中を浮遊する粒子状物質)では,フィルター捕集によって重量濃度を求める測定方法を基準にして,これと直線関係の得られる光散乱法を用いることが決められている。
執筆者:竹内 清秀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報