静電気(読み)せいでんき(英語表記)static electricity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

静電気
せいでんき
static electricity

時間的に変化しない電荷,またはそのような電荷分布に伴う電気現象をいう。電流を扱う動電気に対する用語。静電気は紀元前から摩擦電気として知られていたが,18世紀後半から C. A.クーロンなどにより定量的研究が行われ,電磁気学の発展のもとになった。雷,セントエルモの火など静電気に関係した天然現象も多い。バン・デ・グラーフの装置静電塗装電気集塵,静電転写などに広く応用されている。反対に,静電気の発生による高電圧は放電引火,感電などの災害の原因となることもある。

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百科事典マイペディアの解説

静電気【せいでんき】

電荷が空間的に静止しているか,または移動がのろくてそれに伴う発熱,磁気作用,電波放射が無視できる場合の電気現象をいう。この場合,電荷にはたらく力はクーロン力(クーロンの法則)である。摩擦電気はその例。
→関連項目起電機キャベンディシュ電気力学

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世界大百科事典 第2版の解説

せいでんき【静電気 static electricity】

静止して動かない状態にある電気を静電気といい,動いて電流を生ずる動電気と区別する。この状態は導体のみからなる系ではエネルギーが最小となる電荷分布に対応し,また電荷が電気抵抗の著しく高い物体(固体,液体,気体)の表面や内部に存在する場合にはその動きが緩慢となり,静電気とみなしうる。すなわち,電荷の動きが多少あっても,電荷の作る電場の効果が電流の効果(磁場の形成や発熱など)よりも顕著な限りこれを静電気と呼ぶことが多い。

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大辞林 第三版の解説

せいでんき【静電気】

分布が時間的に変化しない電荷、およびその電荷による電気現象。摩擦電気など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

静電気
せいでんき

電荷の分布が時間的に変化しないときの電気現象。摩擦による帯電現象、直流電圧のかかった導体より生ずる電界、静止する電荷から生ずる電界(電場)などは、すべて静電気の問題である。たとえば、乾燥した冬の日にドアのノブなどの金属に触ると、金属に帯電していた静電気が指先に放電されてピリリと感じる。また、合成繊維は吸湿性が少ないので摩擦で発生した静電気が帯電しやすい。合成繊維の肌着が絡みつくのはそのためである。これらの静電気のもたらす害を防ぐため、帯電防止剤が開発されている。炭鉱ガス爆発のように、滞留している可燃物や爆発性ガスに静電気が放電されて大災害を起こすこともある。静電気は、定義のように、時間的に変化のないときの電気現象であるが、導体の静電誘導はおおよそ100万分の1秒程度の時間でおこるので、これよりもゆっくりした時間変化のある場合についても静電気の理論はそのまま成立する。静電気の基本法則は、電荷と電荷との間に働く電気力についてのクーロンの法則である。[山口重雄]

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世界大百科事典内の静電気の言及

【帯電防止】より

…静電気の帯電を防ぐこと。吸湿性に乏しい合成繊維やプラスチックは電気絶縁性が高く(体積固有抵抗1011~1017Ωcm),摩擦などで静電気を発生しやすく,一度帯電するとその静電気はなかなか逃げない。…

※「静電気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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