細竹里遺跡(読み)さいちくりいせき(その他表記)Sejunni-yujǒk

改訂新版 世界大百科事典 「細竹里遺跡」の意味・わかりやすい解説

細竹里遺跡 (さいちくりいせき)
Sejunni-yujǒk

朝鮮民主主義人民共和国,平安北道寧辺郡細竹里にあって,早くから明刀銭の出土地として知られていたが,その後の調査で,櫛目文土器(新石器)時代,無文土器時代,原三国(古朝鮮・初期鉄器)時代にわたる,三つの文化層からなる代表的集落遺跡であることがわかった。清川江中流域右岸の河岸沖積地に立地する。1962,63年に,4地区で約1900m2余りの範囲で実施された2次にわたる発掘調査によって,櫛目文土器時代1基,無文土器時代23基,原三国時代3基の合計27基の竪穴式住居址が検出された。このうち,無文土器時代の住居址群は3期に細分されるが,当時の集落構造を解明する手がかりを与えるものとして重視される。住居址群からは,褐色の無文土器や石斧,石庖丁,鞍形すりうす,石鏃,石槍などの磨製石器が出土。原三国時代の住居址のなかには,石組みによるオンドル施設を備えるものがみられる。住居址の内外からは,縄を巻いた板によるたたき目をもつ陶質の縄蓆文(じようせきもん)土器,斧,鍬,鎌,矛,鏃,刀,刀子,錐,鑿,釣針などの鉄器,銅鏃,そして布銭や新たに明刀銭2500枚余りがまとまって発見された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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