化学辞典 第2版 「結合軌道」の解説
結合軌道(関数)
ケツゴウキドウカンスウ
bonding orbital
        
              分子軌道関数(MO)のうち,基底状態で結合にあずかる軌道をいう.二つの原子からつくられる分子軌道は,たとえば,水素分子H-Hの場合に,水素原子aおよびbの間に

の二つの分子軌道がつくられる.ψa と ψb はそれぞれa原子とb原子の1s原子軌道関数(AO)である. + のエネルギーは1s軌道より安定で,
+ のエネルギーは1s軌道より安定で, - は1sより不安定になる.したがって,2個の電子は
- は1sより不安定になる.したがって,2個の電子は  + の軌道に入ることによって,安定な結合を形成することができる.このため,
+ の軌道に入ることによって,安定な結合を形成することができる.このため, + を結合(性)軌道(関数)とよび,これに対して
+ を結合(性)軌道(関数)とよび,これに対して  - を反結合(性)軌道(関数)とよぶ.反結合性軌道は安定な結合の形成に寄与することはできない.
- を反結合(性)軌道(関数)とよぶ.反結合性軌道は安定な結合の形成に寄与することはできない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

