最新 地学事典 「結晶粒径分布」の解説
けっしょうりゅうけいぶんぷ
結晶粒径分布
crystal size distribution
岩石中で一定の体積内に,多数の異なる粒径の結晶が存在する場合,それらの粒径とその数を測定して,粒径ごとの存在比率を片対数で表したもの。結晶サイズ分布,CSDとも。ある一定の粒径区間ごとにその区間に存在する結晶数を求めたヒストグラムも結晶粒径分布の一種。また,単位体積当たりのある粒径以下の結晶数を求めた累積結晶分布をなめらかな曲線で近似し,各粒径における接線の勾配を読み,得られる結晶数密度分布も結晶粒径分布の一つ。結晶数密度分布は,長さのマイナス4乗の次元をもち,ある粒径区間で積分することでその粒径区間に存在する結晶数を求めることができる。噴出岩中の石基結晶や斑晶は,しばしば指数分布や下に凸の曲線となり,深成岩や変成岩中の結晶はベル型を取ることが多い。CSDのモデルは,核形成・成長のみによる閉鎖系と,それに加えて対流や沈降などによる結晶の出入りがある開放系で取り扱いが異なる。参考文献:坂野昇平ほか(2000) 『岩石形成のダイナミクス』,東大出版会
執筆者:寅丸 敦志・宮崎 一博
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

