… 鎌倉時代に至ると,元来宗教的なものであった絵解きの芸能化が急速に進み,話芸の特質を帯びるようになった。と同時に,寺社に属する専従の〈絵解法師〉と呼ばれる下級の絵解僧や,格好だけは僧形の散所(さんじよ)生活者の手にゆだねられ(《民経記》《東寺百合文書》など),聞き手層も下がり,絵解く内容は興味本位なもの,当意即妙なものへと変わっていった。室町時代には,絵巻や掛幅絵を携えて流浪漂泊した絵解法師とともに,寺社にまったく拘束されず,巷間に身を置き,貴紳の邸宅に出入りする俗人の〈絵解き(解説者)〉も出現した(《看聞御記》《春日若宮拝殿方諸日記》など)。…
※「絵解法師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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