朝日日本歴史人物事典 「網屋市郎兵衛」の解説
網屋市郎兵衛
江戸前期,江戸の干鰯(肥料)問屋。承応年間(1652~55),南茅場町に江戸で最初の干鰯問屋を開いたと伝えられる。確実な史料では元禄9(1696)年,下総国銚子辺の漁師,商人の後押しで深川海辺大工町に江戸で最初の干鰯揚場(銚子場)を設けた問屋6軒のなかにみえるのが初見。産地とも連携しつつ江戸干鰯問屋の隆盛の基礎を築いた。18世紀半ば以降,江戸干鰯問屋としてはその名が見いだせず,没落したか異業種へ転換したものであろう。<参考文献>『大日本近世史料 諸問屋再興調』8巻
(原直史)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報