綿襖冑(読み)めんおうちゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「綿襖冑」の意味・わかりやすい解説

綿襖冑
めんおうちゅう

奈良時代末期~平安時代初期に,遣唐使が将来した甲冑手本として製作された甲冑。『続日本紀』によると淳仁天皇の天平宝字5 (761) 年8月,遣唐使が帰国に際して兵仗の「様 (ためし) 甲冑一具」その他を将来したことが記されている。綿は布,襖は「あわせのきぬ」とも読むから,布に鉄もしくは革の小札 (こざね) を縫込みあるいは表面に縫付けた甲冑と推察される。唐時代の明器土偶にそれらしきものがあり,また鎌倉時代の『蒙古襲来絵巻』には綿襖冑に該当する甲冑を着装した蒙古武人が描かれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android